ダウン症候群

TOP>ダウン症候群と歯科治療

ダウン症候群のページ

食育の情報 歯の豆知識 自費と保険 歯科と禁煙 咀嚼の効果 予防と薬剤


ダウン症候群と歯科治療

◆◆◆ダウン症候群とは?◆◆◆

Down.L.(1868)が報告し、その後多くの報告者が本症例にみれられる異常所見をを報告して、現在の症候群としての症状を導いてきている。

しかし、その原因はLejeune(1959)が初めて常染色体にあることを証明するまでは不明でした。原因は常染色体21番目にみられるトリソミー(通常は2個だがこの場合3個ある)とされている。

極めて特徴的な顔貌所見を呈し、精神発達遅滞は通常、中等度であるが、個人差が大きいです。性格は一般的に温和で人なつこい事もよく知られています。

異常所見のうち、かなりの部分が口腔領域とその周辺にあることから、歯科領域の報告もかなり多いです。先天性心疾患を伴うことが多く、その場合、観血処置を行う時は、抗生剤の術前投与をする必要があります。また、歯周病の発生率が極めて高く、反面、虫歯の罹患率は少ないという特徴があります。


ダウン症候群の口腔内所見
 
◆ 相対的巨大舌
◆ 交叉咬合
◆ 歯の咬合異常
◆ 歯の萌出遅延

◆ 歯数の異常
◆ 歯の形態異常
◆ 溝状舌
◆ 高口蓋


◆◆◆〜保護者や家族の方へ〜歯科治療を受けるときのアドバイス◆◆◆

ダウン症候群では、精神発達遅滞がほぼ全員にみられます。どのような歯科的問題点があり、どのような解決策があるのかを、ご本人に代わって保護者の方が理解しなくてはいけません。

一般的にダウン症候群の方は温厚で人なつこい方が多く治療のためのトレーニングは比較的容易ですが、いわゆるインフォームドコンセントにおいて、ご本人からの理解が得られない場合がほとんどです。

ダウン症候群では、約40%の頻度で先天性心疾患を合併しています。もしも心疾患をお持ちの場合で、観血処置(出血を伴う処置で、以下「外科処置」と呼ぶことにします)を行うときは、多くの場合、術前に
抗生剤投与をする必要があります。

感染に対する抵抗力も低いことが多く、菌血症などの重篤な感染症を防ぐことが重要です。事前に薬剤アレルギーの有無を知り、担当の歯科医師に伝えましょう。

ダウン症候群の場合、様々な歯科的疾患が合併しているケースがほとんどです。複数の問題が複雑に絡み合ってるので治療期間が長期に渡ることを念頭においておかなくてはいけません。最もストレスが小さく、負担の少ない治療計画を立案するためにはご家族(保護者)の協力が必要不可欠です。

ダウン症候群に特化した処置法と言うものはありません。ダウン症候群の方も健常者に対しても治療行為そのものは何ら変わることはありません。

参考:発達年齢と歯科治療

◆◆◆注意すべき問題点は?◆◆◆

歯周病の問題

歯周病は何方にも起こりうる口腔疾患です。日本人の成人の80%以上が罹患していると言われ、ダウン症候群の方のみが罹患するものではありません。

ではダウン症候群の方と、そうでない方とでは何が違うのかと言いますと、それはダウン症候群の方の場合@高頻度で早期に発症しやすいA発症すると進行が早いB重篤度が高い、という特徴が見られます。その原因は様々な諸説がありますが、残念ながらはっきり分かっていないのが現状です。

どのようにしたらよいか・・・

歯周病の最大の原因は、歯の表面や歯肉溝に付着している細菌であることはまちがいありません→歯周病の原因
ダウン症候群の背後に歯周病を悪化させる因子が潜んでいることは間違いないと思いますが、直接の原因であるプラークを除去することが、私たちのできる最大の口腔ケアです。少しでも発症のリスクを抑え、進行を抑制するためにもブラッシングによる清掃が最も大切であると考えます。

■乳歯列期の場合■
「乳歯はいずれ無くなるものだから・・・」という認識は持たないようにしましょう。
ダウン症候群の場合、すでに乳歯列期で重度の歯肉炎を起こしていることが多いので、乳歯が萌出し始めましたら積極的に汚れを取り除き、お口の中の細菌の数を減らしていくことが大切です。

<方法>
乳歯用歯ブラシをお口に入れるトレーニングをします。まずは歯ブラシに「慣れる」ことが大切なので、決して無理に押さえつけて磨こうとしてはいけません。乳歯用であればどのような歯ブラシでもかまいませんので、お口に「入れて出す」ということを毎日根気よく続けましょう。

無理なくお口に歯ブラシを入れることができるようであれば、ブラッシングをします。
その際に歯磨き剤は必要ありません。磨き方歯の表面と、歯と歯ぐきの間(歯肉溝)をスクラビング法で、膝の上に頭を乗せ、声をかけながら優しく磨いてあげましょう。

<その他>
1.歯ブラシは成長に合わせて変えていく。
2.かかりつけの歯科医院で状況に合った歯ブラシを選んでもらうと安心です。

■永久歯列期の場合■
基本的に乳歯列期の場合と変わりませんが、この時期に問題となるのは、歯列不正です。歯並びが乱れますとプラークが付着しやすく、ブラッシングもしづらくなります。

<方法>
弱い力で長い時間小刻みに動かすのがコツです。基本的に一般用の歯ブラシを使用しますが、状況に応じ乳歯用を併用するのも良いです。歯周病や歯列不正の状況によって硬さ・大きさ・形態を、担当医もしくは歯科衛生士にアドバイスしてもらいましょう。

■すでに歯周病が進行している場合■
これは、ダウン症候群の方に限らず全ての人に言えることですが、残念ながら進行した歯周病を、元の健全な状態に治すことは現在の医療では不可能です。
担当歯科医と協力しながら歯周病の進行を少しでも遅らせ、一本でも多くの歯を残す努力が必要です。どのような治療を進めて行き、どのようにアフターケアが必要なのかはケースにもよりますので、かかりつけの担当医とよく相談しましょう。


心疾患合併の問題

ダウン症候群では高頻度で先天性心疾患を合併しています。ここで注意したいのは抜歯などの外科処置が必要な場合です。

通常、抜歯程度の処置では抗生剤を術後投与するのが一般的です。しかしダウン症候群に限らず先天性心疾患をお持ちの方や、過去にファロー四徴症や他の心奇形に対する手術の既往がある方は術前の抗生剤投与が必要です。

これは口腔内の歯周病菌などが術後の傷口から血管を介して、細菌性心内膜炎を引き起こす可能性があり、あらかじめ術前に抗生剤を投与することによってそのリスクを減らすことができるためです。このようなお薬の投与法を術前投与といいます。

術前投与によって、外科処置を行う時にはすでに抗生剤の血中濃度が高く維持されているので、その分感染の危険性も少なくなります。

どのようにしたらよいか・・・

外科処置の予定日から何日前から術前投与をするかはお薬の種類やケースによって異なります。また、全てのケースで術前投与が必要とは限りません。循環器専門医に抜歯のための術前投与が必要かどうかを相談しましょう。

すべてのダウン症候群の患者さんが全く同じ症状や既往を持つわけではなく、心疾患の有無や程度、発達年齢も一人ひとり異なるので、画一的にその特徴や対処法を示すのは極めて困難ですが、一般的な予備知識としてこれからの口腔ケアの参考にして下さい。

Contents
 TOPページ
 歯の資料館
 チェックシート
  歯周病とは?
 歯周病の原因
 歯周病治療
 歯周病と骨粗鬆症
 虫歯とは?
 虫歯の原因
 虫歯治療
 歯の構造
 歯の磨き方
 妊婦さんへ…
 赤ちゃんのお口…
 口臭の原因
 食べ物と丈夫な歯
 デンタルフロス
 歯間ブラシ
 歯磨き剤と洗口液
 歯周病と全身疾患
 発達年齢と歯科
 自閉症と歯科治療
 ダウン症候群
 歯科の心得
 歯のQ&A
Web Master
 プロフィール
 

 

[TOP]
[歯の資料館][セルフチェックシート][歯周病とは?] [歯周病の原因] [歯周病治療] [歯周病と骨粗鬆症]
[虫歯とは?] [虫歯の原因] [虫歯治療][歯の構造] [歯の磨き方]
[妊婦さんへ…] [赤ちゃんのお口…] [口臭の原因] [食べ物と丈夫な歯]
[デンタルフロス] [歯間ブラシ] [歯磨き剤と洗口剤] [歯周病と全身疾患]
[発達年齢と歯科][自閉症と歯科治療][ダウン症候群と歯科][歯科の心得][歯のQ&A]

[8020達成者][プロフィール]

サイトコンセプト   サイトマップ 

[メール]

★当WEBサイトに掲載されている画像ならびに写真等はすべて管理人自ら作成、撮影したものであり、その著作権は管理人に帰属します。
画像・写真等の無断でのご使用を禁止します。
Copyright (C) 歯の病気と健康 All Rights Reserved.