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発達年齢と歯科治療
もしも、自分が虫歯や歯周病に罹患し治療が必要となった場合、たとえその人の職業が医師であっても主治医にできるだけ苦痛の少ない治療法を選んでもらえるように強く要望する気持ちになるのは当然のことであります。家族に相談し、自分の主治医と話し合い、充分に理解して納得した上で、治療をうけることになるはずです。 ところが、知的ハンディキャップを持つ方の場合は自分でこうして欲しいと訴えないことがほとんどです。 どちらの場合でも拒否行動を示した場合は、その治療方法では本人が受け入れられないと訴えているのは間違いないので、直ちに拒否行動を起さない程度の刺激の小さい治療方法に変えて苦痛を軽減する必要があります。 不快な経験が多ければ多いほど、強ければ強いほど拒否行動は激しくなり以後の歯科治療をより困難なものにしてしまいます。これは健常者でも同じことであり、患者様の問題と言うよりも残念ながら歯科医師サイドのスキルと能力の問題だと考えています。 ◆◆◆発達年齢と暦年齢◆◆◆ 健常児であれば暦年齢に応じて発達年齢も高くなり、暦年齢と発達年齢が概ね一致します。そしてさまざまな事が受け入れられるように成長していきます。ところが知的ハンディキャップを持つ方の場合は暦年齢と発達年齢が一致しないない事がほとんどで、どの程度の歯科的刺激を受け入れられるのかが暦年齢からは予測がつきません。そこでこのような場合、まず発達年齢を把握して許容できる歯科治療レベルをあらかじめ知る必要があります。 ◆◆◆発達年齢と歯科的能力◆◆◆ 知的ハンディキャップを持つ方がどの発達レベルに達すれば自分でブラッシングができるのかを調査した研究があります。 それによると、まず健常児では1歳6ケ月から歯ブラシを自分で口に入れ始め、発達と共に段階的にブラッシングができるようになり、5歳以上では自分で全歯牙をブラッシングできるようになることを明らかにしました。
つまり、知的ハンディキャップを持つ方も、ある発達年齢に達すればブラッシングができ、それに達していなければブラッシングはできないことを明らかになったのです。 そして、歯科治療を受け入れられる発達年齢についても調査・研究がおこなわれ、健常児であれば3歳以上であれば、通常のハンドピースによる歯面研磨を受け入れる能力が備わる可能性が高く、発達障害児では発達年齢が3歳10ヶ月以上であれば、ハンドピースによる歯面研磨を受け入れるだけの能力が備わることが明らかになりました。 成長と共にある事柄ができるだけの能力に達している場合、実際にはその子供が行っていなくても、潜在的にせよ準備ができている状態であるとして、これをレディネス(準備性)があるといいます。 したがって、暦年齢がいくら高くても発達年齢が3歳10ヶ月未満の場合、歯科治療は困難であり、発達年齢が3歳10ヶ月以上になるまで、つまりレディネスが備わるまでは無理な治療は避けるべきです。 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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